東郷研究室では,ヒトの身体運動制御メカニズムを理解するためのロボット技術である人間化ロボティクス研究を推進しています.人間化ロボティクス研究は,計算論的神経科学と,サイボーグ技術を深く融合させることで行います.これら2つの領域を身体性知能の考え方から俯瞰し,人体の美とロボットの機構をデザインエンジニアリングで対応付けることを目指しています.
東郷研究室では,総合学問であるロボティクスを始めとして,神経科学,生理学,解剖学,計測工学,統計学,信号処理,機械学習など多くの学術領域を跨ぎ,学ぶことができます.またデザインやものづくり,プログラミングなど実際に手を動かす技能を身につけることもできます.このような研究活動を通じて,多くのスキルを身に着け,多角的な視点を持つ学生を育成することもまた当研究室のミッションの一つです.
計算理論,アルゴリズム,神経実装に基づいた.ヒトの身体運動制御問題に対する解析的アプローチ
ロボットに置き換えた身体で運動再建を目指す,ヒトの身体運動制御問題に対する構成論的アプローチ
身体運動と環境の相互作用から“知能”が“創発”するという考え方
主観的アートと客観的エンジニアリングを交互に行き来するアプローチ
ヒトの運動はすべてを脳が制御しているように思えますが,実際は身体の構造や柔らかさに依存している部分が多くあります.ヒトの身体構造を模倣したロボットを作ることで,観測される身体運動が脳の制御によるものなのか,身体の特性によるものなのかを調べています.
ヒトの骨格構造を忠実に再現した手指と,人工的に骨格構造を変化させた手指を作成し,物を把持する能力に差があるかどうかを調べています.
通常のロボットは,1つの関節を1つのアクチュエータで動かします.干渉駆動機構は,1つの関節で複数のアクチュエータ出力を干渉させることで,大きな力を生成することができます.
全軸ワイヤ干渉駆動機構は,全てのアクチュエータ出力が全ての関節に干渉する機構です.全軸干渉機構を構成するための理論構築,実機実装を行っています.
最終的には,複数のアクチュエータ出力を自在に各関節に分配する機構の開発を目指しています.
ヒトの関節は,バネのような柔らかい性質を持っています.ヒトは,柔らかい関節を柔らかく動かしています.
バネの釣り合い位置の時系列である仮想軌道を使った制御方法を使って,ヒトのように柔らかいロボットの制御方法を開発しています.
ヒトの足は腕と異なり,自重を支える頑健さと,歩行するための柔軟さが必要です.
主にロボットアームを対象に適用されてきた干渉駆動機構を,脚ロボットに適用した二足歩行ロボットを開発しています.
一つの関節,例えば肘を曲げるという動作に対して,多くの筋肉が同時に働いています.この時,”脳”は各筋肉を一つ一つ制御しているのでしょうか?それとも、類似した働きをする筋肉を“ひとまとめ”にして制御しているのでしょうか?
この筋のまとまりを“筋シナジー”と呼び,ヒトが筋シナジーを使って筋を制御しているのかを調べています.
小畑 承経(Yoshinobu OBATA)
研究テーマ人体模倣ロボットアームに関する研究
白 書霆(Shuting BAI)
研究テーマ電動肩義手の制御に関する研究
関 美咲(Misaki SEKI)
研究テーマワイヤ滑り干渉機構に関する研究
東島 涼香(Suzuka HIGASHIJIMA)
研究テーマ人体模倣ロボットハンドに関する研究
梅澤 亮(Akira UMEZAWA)
研究テーマ人体模倣関節に関する研究
梅田 佳歩(Kaho UMEDA)
研究テーマ柔軟関節の制御に関する研究
工藤 陸(Riku KUDOU)
研究テーマ倍力腱鞘機構に関する研究
佐藤 昂矢(Takuya SATOU)
研究テーマ2脚ロボットの制御に関する研究
関口 兼司(Kenji SEKIGUCHI)
研究テーマ2脚ロボットの膝関節機構に関する研究
永山 泰弘(Yasuhiro NAGAYAMA)
研究テーマ電動肩義手に関する研究
橋本 悟(Satoru HASHIMOTO)
研究テーマ柔軟な足底に関する研究
中村 航平(Kouhei NAKAMURA)
研究テーマ無限巻取り機構に関する研究
胡 宇(Yu HU)
研究テーマー
張 夢玥(Mengyue ZHANG)
研究テーマー
趙 俊傑(YJunjie ZHAO)
研究テーマー
東郷研究室に参加してみませんか?ロボットの興味がある人,人体に興味がある人,ものづくりに興味がある人等々歓迎します.個別の見学も歓迎いたしますので,東郷にコンタクトを取ってください.
s.togouec.ac.jp
・配属懇親会で使った発表資料をアップロードしました.参考にどうぞ.[資料]
・今年度の研究室配属枠は5名です.
・卒研配属システムでは9枠となっていますが,着任予定教員の枠4名分が足されています.システム上ではどちらの研究室志望なのかわからないので,必ずメールでどちらの研究室希望なのかを連絡してください.
・志望人数にもよりますが,横井研・姜研と合同で面談を行う予定です(希望登録締切後).
・面談までに自分の行いたい研究とその関連研究を調べてください.
・研究背景,関連研究,研究目的を5分程度でプレゼンテーションするスライドを作ってください.
・それらにプラスして,自分のクリエイティビティが伝わるスライドを1枚用意してください.ロボット,プログラム,模型,絵,料理,音楽,裁縫などなど,あなたがこれまでに作ったり表現した経験がわかるスライドを見せてください.全く今まで何もないという人は紙粘土をこねて人の手を作ってみてください.
・事前に研究室の先輩に資料を見せてブラッシュアップすることも可です.
・東郷研究室は横井研,姜研と共同で研究室運営を行っています.合同の研究会や装置の貸し借りなどを行っています.全体での人数は非常に多いので,直接的な研究指導は各指導教員で行っています.
・コアタイム,バイトの制限はなし(ただし,ものをつくるのには時間が非常にかかるため,毎日コツコツを推奨します).
・EngineeringをScienceの道具として使います.
・研究室単位で賢くなるための知識の共有,継承に注力しています.
・東郷は,子どもの保育園送迎ミッションがあるため,夜は研究室にいません.
・学生と一緒に議論したいタイプなので,放置が好きな学生には向かないかもしれません.
・ものつくりや新しい知識など,学生が学べる環境を整えています.
・当研究室は機械系にしては珍しく男女半々の研究室です.性別に関係なく活動できます(2021年度現在).
・月曜12:15〜13:00 東郷研ジャーナルクラブ(論文紹介),オンライン
・火曜13:00〜15:00 横井・姜・東郷研全体会(進捗報告),オンライン
・木曜13:00〜15:00 東郷研ミーティング(進捗報告),ハイブリッド
・Slack(連絡,ニュース共有)
・DropBox(ファイル共有)
・Dokuwiki(知識共有)
・Kibela(進捗管理,ノウハウ共有)
・bitbucket(プログラム共有)
・Fusion 360(CADデータ共有)
・まずは,研究室見学をしてください.メールでアポをとってください.
・学士号をとりたい場合,II類P5に進学し,卒研配属のプロセスで入れます.高専からの編入生やGLTPコースの学生の受け入れ経験もあります.
・修士号をとりたい場合,情報理工学研究科機械知能システム学専攻に進学することで入れます.高専,他大学,留学生の受け入れ経験もあります.院試を受けて入った先輩も推薦で入った先輩もいます.
・博士号をとりたい場合,情報理工学研究科機械知能システム学専攻に進学することで入れます.社会人博士の受け入れ経験もあります.事前にしっかりと研究計画を練る必要があるので,早めにアポをとってください.
・博士号取得後の方.学振PD歓迎です.ロボット作成とヒトの運動計測環境があります.
・基本的には学生さんのやりたいテーマを元に考えますが,大人の事情(プロジェクトなど)で決まる場合もあります.少なくともやりたいジャンル(メカ,制御,ヒトの計測など)は決めておいてほしいです.
・例年春休み頃に,研究の種の紹介とテーマ相談会を開いています.
・ものづくりやプログラミングの経験が望ましいですが,熱意があればなんとかなります.
・ロボメカ,模型部,美術部などのスキルを持っている学生さんも歓迎します.
(50音順):THK株式会社,アトムメディカル株式会社,梶原工業株式会社,株式会社ダイフク,株式会社テルミック,株式会社牧野フライス製作所,株式会社リコー,木更津工業高等専門学校,コニカミノルタ株式会社,住友電気工業株式会社,成光精密株式会社,大日本印刷株式会社,日立オートモティブシステムズ株式会社
直近5年の業績を載せます.東郷研では積極的な論文投稿,学会発表を推奨しています.過去の業績は[ここ]や[ここ]を参照.